感染症、病原体とその予防、対策(建築物環境衛生管理技術者特別編)

レジオネラ属菌

 

の経験上、温浴施設においてこのそんざい程厄介なものはないと推察される。

なんせ湯温37℃から41℃で一番爆発的に増殖するのだ。

 

そう、気付いた方もいらっしゃるでしょうが、大体の温浴施設では、湯温は40℃から

41℃に設定されており、ぬる湯でも38℃くらいである。

しかも一回バイオフィルムを形成すると(ヌメヌメする物質)塩素殺菌も高温殺菌も効かず物理的方法(擦るや高圧洗浄)しか除去方法はないのである。

 

だから温浴施設では毎日洗浄し、このバイオフィルムの形成を防いでいるのだ。

しかもこの菌普通に土中に存在し、少しでも滑りを感じるものは、全てバイオフィルムである。

 

しかし、大衆がレジオネラ属菌の感染症である「レジオネラ肺炎、ポンティアック熱」には、感染しない。罹患するのは、高齢者、免疫の弱い方(透析患者や睡眠不足で一時的に免疫低下者)が罹患するのだ。

 

症状としては、2から10日程の潜伏期間があり、発症すると、

発熱や、頭痛、関節痛などの症状が発現する。また、肺炎症状として初めは、痰が混じらない咳が現れ、その後徐々に咳に痰が混じるようになる。

レジオネラ肺炎の症状としては、意識状態や幻覚、手足の震えなどがある。また、呼吸系の症状や神経症状以外に、消化器系の症状として、下痢がある。肺炎症状が重篤化すると、呼吸不全から死に至ることもある。

 

ここで重要な役割を果たすのが、遊離残留塩素だ。遊離残留塩素とは、水道法第22条でさだめられた、液体中に存在する、塩素濃度だ。厳密には塩素ではないのだが、、、

消毒塩素物質として、

次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、塩素ガス分子がある。

 

また、結合残留塩素として、クロラミン、ジクロアミン、モノクロアミンがある。

 

殺菌力の順番として

次亜塩素酸→次亜塩素酸イオン→クロラミン→ジクロアミン→モノクロアミンの順番で殺菌力が変わる。

 

法的には、遊離残留塩素は、0.1mg/L

                著しく汚染のある場合は、0.2mg/L以上ないといけない。

     結合残留塩素として、0.2mg/L

    著しく汚染のある場合は、0、4mg/L以上必要だ。

ここでややこしいのが、この残留塩素は、「有機物・アンモニア」が存在すると

効果が低下する点である。

 

だから温浴施設では、毎日数時間毎に計測し、特定建築物(端的に言うと不特定多数が出入りし、延面積が3000平米・学校などでは8000平米の建築物)では、7日に1回と決められている。

 

以上が私の記憶にある知識である。是非参考にして頂きたい。